ぶどう膜炎とは

ぶどう膜炎とは目の中に炎症を起こす病気です。ぶどう膜炎が生じると、本来は透明な眼の組織中に炎症性細胞が浸潤するため充血・眼の痛み・かすみ目・飛蚊症を生じることがあります。そのような症状が持続することも、あるいは繰り返すこともあります。

ぶどう膜炎の発症には何らかの免疫の異常が関わっています。日本ではサルコイドーシス・原田病・ベーチェット病という全身の免疫異常に関わる疾患がぶどう膜炎の原因となることが多いです。他にも様々なウイルスをはじめとする病原体、悪性腫瘍、外傷、糖尿病などの全身疾患もぶどう膜炎の原因となることがあります。しかしながら、原因がわからないぶどう膜炎もいまだ多いことも事実です。数年にわたって治療を続ける必要がある眼の病気です。

ぶどう膜炎の診断

ぶどう膜炎の診断

ぶどう膜炎の原因により治療法が異なりますので、ぶどう膜炎の背景となった原因を探ることが重要となります。通常の眼科検査に加えて、螢光眼底造影検査や血液検査や胸部レントゲン撮影なども行うことがあります。

原因がわかりにくいぶどう膜炎については、目の中の水(前房水)を採取して、ぶどう膜炎の誘因となるウイルス・細菌・真菌・原虫などがいるかどうかを調べます。当院ではリアルタイムMultiplex PCRを用いて、ぶどう膜炎の原因となりうる病原体を網羅的に調べることにより、より確実な診断をめざしています。

ぶどう膜炎の治療

ぶどう膜炎の原因によって適切な治療法を選択しております。何らかの病原体が発症に関わっている際には、その病原体の駆除に努めます。眼あるいは全身の炎症を抑制するために、ステロイドホルモンの点眼や内服などを治療の基本とします。ステロイドホルモン製剤で効果が得られない場合や副作用が強い場合、免疫抑制剤の内服だけではなく、進化した生物製剤を用いた免疫抑制療法を組み合わせることにより、治療効果をめざします。

以上  症状によって治療が色々とあり、異なりますので受診してご相談ください。